流鏑馬と神楽、狛猿の神使!埼玉・萩日吉神社のご利益と見どころ

こんにちは、あちです。

今回は、埼玉県ときがわ町に鎮座する萩日吉神社をご紹介します。
ときがわ町は、面積の約7割を森林が占める自然豊かな町で、「建具の里」としても知られています。
水と緑に囲まれた、この魅力あふれる地にある神社を、ぜひ一緒に見ていきましょう。

目次

萩日吉神社の由緒

萩日吉神社は、欽明天皇6年(544年)に蘇我稲目によって創建され、当初は「萩明神」と称されました。平安時代初期に、近江国の日吉大社を勧請し「萩日吉山王宮」と改称。
源頼朝の戦勝祈願や北条政子の寄進を受け、社殿が整備され別格の社となり、元禄以降は牧野家の崇敬を受け、明治元年(1868年)に「萩日吉神社」と改称されました。

萩日吉神社の見どころ

ご祭神

大山咋命  (おおやまくいのみこと)
国常立尊  (くにとこたちのみこと)
天忍穂耳命 (あめのおしほみのみこと)
国狭槌尊  (くにさづちのみこと)
伊弉冉尊  (いざなみのみこと)
瓊々杵尊  (ににぎのみこと)
惶根尊   (かしこねのみこと)

ご神徳(ご利益)

交通安全、子宝成就、諸願成就

あち

ご神徳は神様の力そのものであり、ご利益とはその力からもたらされる恩恵と考えればよいと思います

流鏑馬

流鏑馬(やぶさめ)とは、馬を走らせながら弓で的を射る行事で、中世の武士の間で盛んに行われました。
萩日吉神社では3年に一度、1月の第三日曜日に開催されており、県の無形民俗文化財に指定されています。

流鏑馬

引用:萩日吉神社リーフレット

萩日吉神社の流鏑馬は神社に奉納する神事的な色彩が強く、天福元年(1233年)に、木曾義仲の家臣と伝えられる明覚郷(現・ときがわ町)の3氏と大河郷(現・小川町)の4氏が奉納したことが始まりと伝えられています。
次回の開催予定は令和8年1月18日(日)の予定です。 ときがわ町公式ホームページ記載

神楽

毎年1月には小神楽が、4月29日には太々神楽が奉納されます。これらは神代の神話を劇化したもので、神代神楽と呼ばれています。

小神楽

文化9年(1812年)に初めて奉納されたとされ、秩父神社系と上州系の影響を受けつつも独創的なもので、県指定無形民俗文化財に指定されています。
中でも、太々神楽の中で食命が2匹の狐を従えて舞う「蓮舞」は、稲を刈り、籾を落とし、餅をつき、最後につきあげた餅を観衆に投げるという内容で、集まった観衆に餅がまかれます。

狛猿

萩日吉神社の神使は狛犬ではなく狛猿です。猿はご祭神「大山咋命」の使いであることから神猿(まさる)と言われています。
本殿に向かって左に子供を抱いた吽形(うんぎょう)の神猿、右にはおむすびを持つ阿形(あぎょう)の神猿が祀られています。
ネットでは桃とする記事が多くありますが、宮司様に確認したところ「桃」ではなく「おむすび」だそうです。

狛猿(神猿)


猿は群れを大切にし、子宝に恵まれ安産であることから「家内安全」「子授け」「安産」を願い、吽形の神猿を祀ります。
また、「まさる(魔去る・勝る)」や、おむすびの「結び」の語呂、大山咋命が山の地主神であり農耕を司る神とされることなどから「厄難消除」「子孫繁栄」「五穀豊穣」を願い阿形の神猿を祀ります。

児持杉

萩日吉神社の一の鳥居の右手には、ときがわ町指定天然記念物の大杉があります。

児持杉

 小さなお社を挟んで右に「男杉」、左に「女杉」と呼ばれる2本の杉が立っています。男杉は根回り約6.5メートルで、3本に幹が分かれています。女杉は根回り約8.9メートルで、24本に幹が分かれています。
どちらも樹高が約40メートル、樹齢は約800年とされています。古くから、この2本の杉に祈ると子宝に恵まれるという伝説があり、多くの人々の信仰を集めています。

御井社(ご神水)

社殿の右手には、木俣神(きまたのかみ)と弥都波能売神(みづはのめのかみ)をご祭神とする御井社があります。この二柱の神は、どちらも水の守護神です。

御井社

御井社の足元にある井戸には、背後のご神木から湧き出たご神水が蓄えられています。
備え付けの柄杓(ひしゃく)を使って、そのご神水を分けていただくことが出来ます。
宮司様より、「ご神水は水質分析等行っていません。また井戸に賽銭などを投げ入れないようお願いします」との事です。

イロハ四十八石階段

萩日吉神社には、「イロハ四十八石階段」と呼ばれる48 段の石階段があります。

イロハ四十八石階段

この階段は、近隣の子どもたちに数や文字を教えるために作られました。
天保15年(1844年)、神社の神官である松岡寛道は、伊豆から石を運び出し、嘉永元年(1848年)8月に、4年がかりでこの48段の石階段を築造しました。
実際に数えてみると、確かに48段あります。

地主社

境内には案内等ありませんが、ご本殿の裏手の雑木林に地主社があります。一番最初にお社(萩明神)があった場所で現在はこのような形でお祀りしているとのことです。
限られた方々にしか知られていないお社です。

地主社

道が整備されていない場所なので、季節によってはお参りが難しい事もあるかもしれません。

ご朱印

私は例大祭の日にご朱印をいただいたのですが、祭事を除き、通常社務所は無人のようです。
電話番号の記載があるので、連絡をすると宮司様宅につながりご朱印をいただけます。

ご朱印


連絡の際には、神社の都合や宮司様のご予定を考慮し、事前に予約を取るなどの配慮をすると、よりスムーズに対応していただけると思います。 
連絡先0493-67-0119(宮司様宅)

交通アクセス、基本情報

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